村上 嘉康
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耐震診断、補強について〜1  -2010.09.01-
  日本は御存知のように世界でも有数の地震国です。                           
 私達の記憶に鮮明に焼き付いている悲惨な光景は阪神大震災かと思います。
 それ以外にも、毎年全国各地で頻繁に震度6クラスの地震が発生しています。
 そして残念ながら、大小様々の被害が発生しています。
  日本の場合は大きな災害が発生するとそれに合わせて建物の耐震基準を上げてきています。
 最近では昭和56年の基準改正が一番大きな分岐点かと思われます。
 もう一つは平成12年建設省告示第1460号に適合する仕様という事になるでしょう。     
  例えば昭和56年当時の基準通りに造られた建物と、その一年後の昭和57年に      
 造られた建物を単純に比較した場合、強度は 約 7:10 の比率になります。 
  そこで耐震改修促進法という法律が制定され、昭和56年以前に建てられた建物に対し  
 診断をして補強する事で現行基準をクリアーしようと、耐震診断に補助金、耐震改修工事に補助金と
 市町村によって金額に差はありますが、耐震改修補助金制度が整ってきています。
  私が所属している(社)埼玉建築士会入間第一支部狭山部会では、この近隣市町村の
 中では一番早くから、狭山市役所建築審査課と共催で市民無料耐震相談会を行っています。
 今年で8年目を迎えます。年2回10月下旬の日曜日と翌年2月下旬の日曜日に行っており
 毎回30組程度の相談者の方々がお見えになります。相談条件で様々な事がありますが
 まずは狭山市役所建築審査課に問合せしてみてください。
  私の事務所では今まで現地に伺い調査をして診断する、詳細耐震診断をさせて頂いた経験が
 約60件程あります。その内、耐震補強工事を行った経験が16件あります。
  その経験させて頂いた中で木造在来工法で造られた建物の笑えない現状をお話致します。
 約60件調査診断させて頂いた建物で図面通りに出来上がっていた建物はわずか1件だけでした。
 お住みになっている方も、御自宅の間取りを普段から図面と見比べる習慣はない為、お話して気が付く
 場合がほとんどです。つまり、図面上壁があるヶ所に窓、出入口が出来ていたりするわけです。
  当然の事ながら建物強度は下がります。但し、これはおおらかな時代に、施工された工務店さんが
 悪意で行った事ではなく、工事中での親切な変更なのだと思います。
  現在はこのような事は少ないかと思いますが、やはり昭和50年代の頃は一般住宅の構造は
 安易に考えられていた結果だと思います。 
  このような事から御自宅の現時点の強度をお知りになりたい場合はやはり現地調査をして詳細診断を
 おやりになられたらいかがでしょうか?現地調査は建物内外を見せて頂く事と、天井裏、床下に潜り
 構造チェックと施工の状況を確認し計算に乗る建物か否かを判断しています。時間は3〜4時間程です。
 その時に図面を御用意頂くと調査する側としては大変助かります。
            
         現地調査において良好な床下施工の例         現地調査において悪い床下施工の例


  
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