村上 嘉康
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耐震診断、補強について〜2  -2010.09.02-
  現地調査が終了してから、数日間御時間を頂きコンピュータープログラムで診断をして
 そして考察して、結果を御報告するといった手順が一般的な流れになります。
  その結果と相談により補強工事を行うか否かという事になります。国内で危ないと
 されている建物にお住まいの方々で実際耐震診断を受けられる方が一割弱。更に診断を
 受けられた方々の中で耐震補強工事にふみきられる方が一割弱という統計があります。
  つまり危険とされている建物にお住まいの方々の1%に満たない方々しか耐震補強工事を
 行っていないという事も又、事実なのです。
  市民無料耐震相談会でお見えになる方々も、弱い事はわかっているけれども費用の事が
 といった御意見です。確かに台風のように予報がはっきりとわかる災害であれば実行に
 移されるのでしょうが、いつ来るかもわからないものに対しては、というお考えも 
 ごもっともかと思います。
  耐震補強工事には、いずれにせよ費用がかかりますので、おやりになるか否かは私達、設計者が
 決められる事ではないと思っています。但し、診断をする事によって、現在お住まいの
 建物の弱点と、逆に比較的安全なヶ所もわかります。補強工事をしなくとも、いざ災害発生した
 時の為に普段お休みになる部屋、家具の配置、非難経路等の助言等で、被害を最小限に
 抑える事も可能であると思います。したがって耐震診断だけでもやる事によって、専門家の
 アドバイスをお聞きになる方が良いのではないでしょうか。
  
  耐震補強工事は比較的費用がかかる工事と思います。なぜならば、補強する事そのものは
 材料費、工事費共比較的安価なのですが、補強するヶ所の解体と復旧に費用がかかってしまいます。
 結果、リフォームをお考えになっている時が絶好のタイミングかと思います。
  よく、ごく最近に外壁塗装を済ませたとか、浴室台所を造り直したとか、室内の壁紙を貼り替えて
 しまった後に御相談を頂く事がありますが、大変残念に思います。耐震工事のみではなく
 リフォーム工事と並行でといった意識を持って頂くと、思った以上に費用を抑えられるかと思います。
  あとは、補強工事で押入が補強対象ヶ所になるとコストが抑えられます。解体復旧のスペースが
 限られる事と、復旧部材が合板あるいはボードと安価な製品の為です。
 補強設計に入る時に、建物の四隅に押入があるとホッとしたりします。
  いずれにせよ設計者が二人いれば、二種類の補強工事提案が出てくる事が耐震補強工事内容の
 難しいところですから、信頼できる専門家の方に御相談される事をお勧め致します。
            
        補強対象押入解体時        補強対象押入筋交補強時     補強対象押入構造用合板補強時 


  
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