村上 嘉康
-WORKS-   -INFORMATION-   -Msお知らせ-   -CONTACT-   -LINKS-

地盤の重要性について〜2  -2010.09.24-
  建物全体を持上げる工事の前に、まずは敷地の地盤調査を行いました。
 新築工事のように更地状態の場合、最近では左下写真の様に機械を使って地盤調査を行います。
 今回のように建物が建っていて、なおかつ建物の下の地盤調査も行う場合は、床下収納庫を
 開けてからとか、場合によっては床を剥がして調べなければなりません。機械を持ち込めませんから
 右下の写真のように人力で調査をしなければなりません。どちらも木造住宅規模の場合で行う
 ポピュラーな地盤調査方法で、スウェーデンサウンディング方式と言います。
         
          更地の時、機械を使用して行う調査            今回の場合の人力で行う調査
  地盤調査の結果、やはり前回お知らせした基礎が折れているヶ所から北側のアスファルトガラを
 捨て土を被せてあった部分が軟弱地盤で、人為的に触っていない元々の地盤は良好な地盤でした。
 幸いにも表層面から1.5m下に硬い層があり、そこを支持地盤にして作業に入る事となりました。
  専門メーカーの支持金物の設置方法が大変興味深い方法で、建物外周を掘り込み支持金物とー  
 油圧ジャッキをセットで設置していく方法でした。建物外周部にセット完了後からの作業が大変で
 建物内部地盤に横穴を堀り進んでいく工法で全て手作業の為労力が、かかります。
  そして柱のある基礎下に全部で25ヶ所の設置を行いました。外から見れば大変な作業なのですが 
 クライアントは通常の生活に支障をきたさずに家の中では音以外はごく普通の生活を送って 
 おられました。 
   
外周部を掘り込み支持金物とジャッキをセットした状態
 
   
外周部から建物内部地盤下に横穴を堀進み支持金物とジャッキをセットした状態
  この支持金物下に建物重量を利用して、ジャッキで支持地盤まで鋼管杭を圧入して建物を
 持上げる準備が整った状態が上の写真です。ジャッキアップは、一気に持上げる事はせずに
 レベルを見ながら全体に数mm単位で少しずつ持上げていきます。それでも長い間、歪の癖がついた 
 建物はきしみながら(私には建物の悲鳴にも聞こえましたが)徐々に水平に戻っていきました。 
  約2時間程でレベルを見ながらのジャッキアップが完了しました。北側にある台所、玄関の
 タイルは何枚か割れたり目地が飛びましたが、木材そのものは粘りがある為、他に大きな破損は  
 見られませんでした。 


  
Copyright © 2007, Ms Architect Design Studio All Right Reserved