村上 嘉康
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設計、デザインについて〜敷地と話す事  -2010.10.01-
  今回からしばらくは当事務所の本来の仕事である意匠について日頃思っている事を
 多少抽象的な表現が入る事を、お許し頂きながら書かせて頂こうと思います。
  建物を造ろうとする時に、当然の事ながら敷地が必要になります。私達設計者がその敷地を
 見た時に実務的には、その敷地に与えられている法規を調べます。用途、建蔽率、容積率
 各斜線、日影等々かなりのチェック事項があります。  
  そしてその調べた法規内容、クライアントの色々な諸条件、近隣の状況、周りの景色などを頭に
 入れながら敷地に何度も出向き考える事から始めます。晴れの日、曇りの日、雨の日、朝の時間
 昼の時間、夕方の時間、時には夜、そのようにして何度か通っていると徐々に敷地が教えてくれる事を
 感じてきます。なにやら敷地と会話をしているような感覚が出てきます。
  予定敷地が更地の時は、かなり長く話す時間があります。一方建替の場合は工事が始まる
 直前までクライアントが住んでおられるので、我々設計者が既存の家をスケルトンの感覚で見て
 感じて敷地と多くの会話を試みます。
  このような事から、御理解頂きたい事は私達設計者が建物を設計する場合、仮に同じ条件の敷地を
 与えられ同じ家族構成のクライアントからの御依頼であっても、同じ物はまず造らないという事です。
 というよりも造れないといったほうが確かかと思います。
  特に住宅は人の顔、個性と同じで似て非なるものとして考えて具現化していくという姿勢が私達
 設計者には必要な事ではないかと思っています。
  下の写真は、-WORKS- で御紹介している、いくつかの作品の更地の時の写真です。
  
           清水の家                    狭山 THROUGH                 嵐山 浮 COURT
      
                 広瀬 FLAG                       高根沢 森の中の家
  上の5敷地は、初めて敷地を訪れた時からこの状況でしたので、長期間会話ができたと思います。
 下の5敷地は建替えもしくは古家があった為、時間の差はありますが敷地そのものとの会話時間が
 短かったという印象があります。しかし時間の長短よりもその敷地を集中して見て、会話する事が   
 出来たかどうかという事の方がより重要かと思っています。  
  
       狭山SKY間                狭山 TWICE              狭山 ONE BOX
      
                    武蔵村山の家                        水野SEVEN


  
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