村上 嘉康
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設計、デザインについて〜空間を繋げる切るという事:1  -2010.10.22-
  前にもお話しましたように日本の家は残念ながら土地事情から、一般的にはそれほど大きな
 面積の家は造れないのが現状です。
  単純に部屋のサイズを帖数でいえば、6帖〜8帖単位の部屋がどうしても多くなるのでは
 ないでしょうか?  
  民家建築で伝統的に使われてきた田の字プランは空間をフレキシブルに使うという意味では  
 大変参考になる手法かと思います。しかし、そのまま造ってしまったら今の生活パターンに
 なかなか合わないであろうという事も又事実です。
  当事務所では下の写真のように、梁又は天井までの建具を引込みにして、開放した時に
 一つの空間になり、閉めた時に別室になる事を色々な状況に合わせて試みます。
  基本は建物が中庭も含んで一つの空間でありたいというコンセプトがいつも根底にあるからです。
 かと言って落ち着きたい時は小空間の方が良い場合もあります。
  そういった可変性に面倒な仕掛け操作がなく対応できる物が引戸ではないかと思っています。
 ドアですと、空間を繋げる切るといった事が、なかなか上手にできないかなと感じています。
  開放した時に、本当に一つの空間でありたい場合は、下壁もカットするように考えています。
 用途が明らかに違う部屋同士の場合は下壁(壁or硝子orポリカ板等々)を設置するように
 考えています。その御宅によって御家族構成はそれぞれ差がありますが、10年経過すると
 かなり変化するものだと思います。
  せっかくの家ですから将来の家族構成変化を見据えて使えないスペースが発生する事だけは
 避けたいと常に思っています。
    
              寝室スペースを閉じた状態             寝室スペースを含めオープンにした状態 
  
      書斎兼居間を閉じた状態      書斎兼居間を開放、玄関を閉じた状態    中庭含め全てオープンの状態
      
                 食堂とホール廊下を閉じた状態      食堂とホール廊下をオープンの状態
     
           書斎、階段吹抜けと寝室を閉じた状態         書斎、階段吹抜けと寝室をオープンの状態


  
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