村上 嘉康
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障害を持っている方の街のバリアフリーについて  -2010.12.24-
  今年の秋頃の事です。私が最寄の駅前を歩いている時の事です。車椅子の御婦人が、私に
 「手伝ってください。」と道の向こう側から声を掛けてきました。
  何だろう?と近ずいていくと、公衆電話を使いたいのだけれども、この段差が邪魔で公衆電話が
 使えないという事なのです。だから公衆電話の受話器まで抱えあげてください。という事なのです。
 その公衆電話廻りが下の写真です。
  私のような健常者ならば考えもつかない所が、障害を持っておられる方々にはとんでもない所
 なんだと改めて気付かされました。
 
  一般の街中に見受けられる風景の一つです。
 健常者には何気ない光景ですが、高さ10cmにも
 満たない手前縁石の段差と、その前に設置してある
 鉄板スロープ(安全の為とあえて設置したはず)が
 車椅子を使っている方には大変な障害物になって
 いるようです。
  
  この日以降に埼玉県内の新しくできた街を
 歩く機会があった為に、注意深く見たところ
 同じように公衆電話がありましたが、その周辺は
 平らに造ってありました。
  街のバリアフリーが言われるようになってから、かなりの時間が経過していると思います。
 最近ではJR、私鉄に限らず地方の駅もエレベーター、階段リフト、電車の乗降りの駅職員さんの
 援助等よく目にします。一時代前に比べれば、かなり充実してきた感があります。
  しかしながら、車椅子に乗っておられる方々にとっては、御自宅を出てから目的地に着くまでの  
 線もしくは面全てがバリアフリーであって欲しいのだと思いますが、現時点の街中を見ますと 
 点としては充実しているヶ所は多々見受けられますが、線や面の繋がりとしてはこれからの
 課題と感じます。
  上記のミニチュア版が建物内のバリアフリーです。最近の公共の建物は建築基準法のハートビル法に
 乗っ取って、かなり使い易いようになってきました。一方住宅に関しては新しく出来上がった建物は
 一度床に上がれば床の段差無しは当り前の事となりましたが、廊下、階段、便所などの小さな空間の
 幅あるいは部屋の出入りの勝手、そして段差という事であれば道路から玄関ポーチに上がってくる  
 時の段差、そして日本独特の土足上履きの習慣のある玄関框の段差。この辺りを法律で 
 決めるのではなく私達設計者が工夫していき、解決方法を考えていく課題なのではと考えます。
  
  ましてや、既存の家となりますと家の中は部屋の出入口のほぼ全てに敷居があり、必ず15mmから
 30mmの段差があると思います。ある文献によると家の中では健常者であっても無意識に歩いて
 いる時の足裏の一番低く上がっている寸法は7mm程度なのだそうです。
  そのような事を思うと、前にもお話しましたように、改修リフォームをお考えの方は依頼される
 設計者、工務店さんに忘れず、まず初めに相談される事をお薦めしたいと思います。 
  今年の手記は今回で終了させて頂きます。又、来年1月上旬から再スタートさせて頂きます。
 皆様どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。来年もよろしくお願い致します。


  
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